弁護士が教える分かりやすい相続の手続

相続の手続

人が亡くなると相続が開始します(民法882条)。
相続人の間で争いがない場合でも、相続によってさまざまな手続が必要になります。
相続に関係する人が亡くなった場合に必要な手続について理解しておきましょう。
まず、大まかな流れを時系列に沿って説明いたします。

家族が亡くなってから行う相続手続の流れ

死亡の事実を知った日から7日以内に、死亡診断書を添えて提出しなければなりません。
法律で期限が定められているので、過ぎてしまうと罰則があります。
死亡届を提出しなければ火葬許可証がもらえず葬儀ができないので、実際は死亡した翌日には届出をします。

死亡届を提出する人
死亡の届出義務者は、①同居の親族、②その他の同居者、③家主、地主、家屋・土地の管理人、④同居の親族以外の親族、後見人、保佐人、補助人、任意後見人です(戸籍法87条)。
ただし、これは死亡届を作成する人(署名・捺印する人)であり、死亡届を提出するのは①から④の者だけに限らないので、葬儀業者に依頼することもできます。

・届を提出する先
死亡届を提出するのは、①亡くなった方の本籍地、②届ける方の現住所、③亡くなったところ
のいずれかの市町村役場になります。

相続人の調査、遺言書の有無の確認等

家族が亡くなられたら、まずは相続人の調査をします。

「遺言書を遺すような人じゃなかったから、わざわざ調査しなくてもいいんじゃないの?」とお考えではないですか?
しかし、前の奥さんとの間に子どもがいる場合や遺言書が出てきて家族の他にも相続人が記載されていた、ということもあるかもしれません。
相続放棄や相続税の申告などの手続を取る必要がある場合がありますので、できるだけ早めにしておきましょう。

相続人の調査・遺言書の有無の確認方法

・相続人の調査方法
亡くなった方(被相続人)の原戸籍を市町村役場で取得すると、被相続人の出生から婚姻、子の誕生から離婚まで、一生の生涯が分かりますので、相続人の有無が分かります。
相続人全員が円満に手続を終わらせるために、調べておいた方がよいでしょう。

・遺言書の有無の確認方法
遺言書は故人の遺品整理を行う際に発見されることがあります。
故人が大切にしていた本や日記帳、いつも使用していた収納場所など、心当たりを確認しましょう。
また、公証役場では、遺言書の作成履歴を調査できますので、そもそも遺言書があるかどうか分からない場合には一度問い合わせてみましょう。

亡くなった方(被相続人)の年金受給停止の届出

亡くなった方が年金を受給していた場合、年金受給者死亡届の提出が必要です。
(ただし、日本年金機構に住民票コードが収録されている場合は不要です。)

・手続の期限
厚生年金…10日以内
国民年金…14日以内
※期日が違うので注意しましょう。

届出の手続は、居住地の市町村役場か所轄の年金事務所で、亡くなった方の年金証書、死亡を明らかにできる書類(戸籍抄本等)を添えて提出します。

世帯主変更や保険の資格喪失届の手続

・世帯主変更届
亡くなった方が世帯主だった場合に、「世帯主変更届」を現住所がある市町村役場に届けることが必要です。
ただし、配偶者が世帯主になる場合は必要ありません。
届出の期限は亡くなった日から14日以内です。

・健康保険に関する届出
亡くなった方が加入していた保険により届出方法が違います。
①国民健康保険に加入していた場合…健康保険証と一緒に、国民健康保険資格喪失届を提出します。
亡くなった日から14日以内に市町村役場に届出をしましょう。
(亡くなった方が世帯主だった場合、世帯主を配偶者やその扶養家族の保険証に書き換えた保険証を発行してもらいましょう。)
②健康保険組合・共済組合等に加入していた場合…勤務先に保険証を返却し廃止手続をお願いします。
扶養家族が亡くなった場合…勤務先に扶養控除異動の手続をお願いしましょう。

相続の承認・放棄

自分が相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内に単純承認・限定承認・相続放棄をします。特に意思表示をしなかった場合は単純承認したものとみなされます(民法921条2項)ので、何もしなくても問題はありませんが、限定承認・相続放棄をしようとする場合はこの期間に注意が必要です。

①単純承認:無限に被相続人の権利義務を承継するものです(民法920条)。

②限定承認:相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して相続を承認するものです(民法922条)。

③相続放棄:その相続に関して、初めから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。

個人事業主や給与所得以外の収入があった場合に必要な準確定申告

所得税は、1月1日から12月31日までの1年間の所得について計算して課税されます。しかし、年度の間に亡くなった場合には、1月1日から死亡までの所得について課税されるので相続開始から4ヶ月以内に所得金額及び税額を計算して申告と納税をしなければなりません。これを準確定申告といいます。
亡くなった方の住所がある税務署に申告書を提出します。
通常、一般的なサラリーマンは勤務先で年末調整をするので準確定申告は不要になります。

準確定申告は、相続人が複数の場合は確定申告書付表に連署します。
納税する税額は、相続人の相続する分により異なります。
納付した所得税は亡くなった方の債務として、相続財産から差し引くことができ、還付の場合は相続財産に足すことができます。

相続税の申告・納付

相続税が生じた場合、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告・納付が必要です。
期限を過ぎると、延滞税がかかることもあります。
相続税の納付は、現金・一括が原則ですが、現金で一括できない場合は、「物納」や「延納」という方法もあります。
(ただし、認められにくくなっているのも現状ですので注意が必要です。)
相続税でお困りの方は、いわき市の佐藤法律事務所へご相談下さい。
地元密着の法律事務所だからこそ、地域の税理士の先生と連携をしてお悩み解決までサポートします。

遺留分減殺請求

兄弟姉妹以外の相続人(配偶者・子・直系尊属)には、遺留分が認められています(民法1028条)。
亡くなった方(被相続人)が遺言により、相続人の一人だけ遺留分を超える金額で他の相続人に相続させたり、生前に贈与していた場合などによって、他の相続人が遺留分に満たない取り分しか得られなかった場合は、減殺請求することにより遺留分を確保することができます。
遺留分減殺請求は、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知ったときから1年以内、あるいは相続開始の時から10年以内にする必要があります(民法1042条)。

死亡一時金・寡婦年金の請求

亡くなった方(被相続人)が国民年金に加入していたが、遺族年金が支給されなかった場合には、死亡一時金や寡婦年金が支給される場合があります。
年金事務所で、死亡一時金は死亡の翌日から2年以内、寡婦年金は死亡の翌日から5年以内に請求する必要があります。

葬祭費・埋葬料

亡くなった方(被相続人)が国民健康保険に加入していた場合は葬祭費が、健康保険に加入していた場合は埋葬費が支給されます。
葬儀・埋葬を行った日の翌日から2年以内に各管轄する団体に請求する必要があります。

遺族年金の請求

亡くなった方(被相続人)が年金に加入・受給していた場合、その方に生計を維持されていた方は遺族年金の支給を請求することができる場合があります。
遺族年金の請求には5年で時効にかかりますので早めに手続しましょう。

間違った相続をしないために必要な手続を確認しましょう

家族が亡くなり、何から手続をしていいかわからない方も多いと思います。
精神的に憔悴されているとは思いますが、手続には期限がありますので、できるところから申請しましょう。
相続手続を行う過程で、不明な点や相続人間でのトラブルが生じた場合には、弁護士が力になります。
お悩みの方は、いわき市の佐藤法律事務所にご相談ください。

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