不倫の証拠集めノウハウ
夫(妻)が不倫をしているのでは? そんなお悩みはありませんか?
パートナーを疑うことは、好ましいことではありませんが、早めに兆候をつかめば、解決しやすいこともあります。
また、早くから証拠を集めておけば、慰謝料や離婚を請求する場合に有利になることもあります。
ここでは、不倫の兆候や慰謝料・離婚などを請求する際の証拠について説明します。
「不倫かも」と思った時のチェックリスト
夫(妻)が不倫をしていると疑うのはどのようなときでしょうか?
「なんとなく普段と違う」、そんな勘が働く時ではないでしょうか?
そのような感覚は、ある程度当たっていると思われますが、具体的には、以下のようなことに注意してみるとよいでしょう。
携帯電話・スマホ
なんと言っても、スマホに注意すべきでしょう。
固定電話しかなかった時代と異なり、スマホはダイレクトに相手との連絡が取れる手段です。
そこで、夫(妻)のスマホが「なんとなく普段と違う」という様子があれば、不倫が疑われると言えます。
以下のような様子に注意してみましょう。
- いつもスマホにロックがかかっている
- 家の中でもスマホを持ち歩いている
- こまめにスマホをチェックしている
- スマホの会話を聞き取られないようにしている
- これまでと文面が違う
パソコンについても同じようなことが言えるでしょう。
服装など
服装・身だしなみに変化が現れることも不倫の兆候と言えるでしょう。
ただし、こちらも表立って変化があると、夫(妻)に分かってしまいますから、ちょっとした違いに注意してみましょう。
夫が格好良くなった、妻がきれいになった。
それが誰のためか考えてみるとよいでしょう。
素直に喜べないかもしれませんね。
- 今まであまり見なかった洋服やアクセサリー類がしまってある
- 髪型に微妙な変化があった
- 今までより鏡を見ていることが多くなった
- 今までと違うにおいがする(香水・コロンの使用など)
- (男性の場合)自分で洋服や下着を買うようになった
行動面
不倫をするためには、当然その時間が必要ですから、どこかでその時間を作り出していると言えます。行動の変化にも注意してみましょう。
- 帰宅が遅くなること、外出や外泊することが急に増えた
- 休日出勤や出張が増えた
- 会社の飲み会が増えた
不倫の時間を作るためにこのようなことを口実にすることが考えられます。
また、相手に知られないように行動しようと考えますから、間接的に時間を作ろうとすることもあります。
以下のようなことも注意してみましょう。
- 夫(妻)の予定を聞くようになった(気にするようになった)
- 夫(妻)に外出を勧めるようになった
愛情の変化・偽装
不倫相手に気持ちが向いているとすれば、愛情面の変化も考えられるでしょう。
- 以前よりも会話が減った
- 以前は、相手の服装等について指摘していた夫(妻)が、関心を示さなくなった
- (特に女性の場合)以前より家事が手抜きになった(食事に出来合いのものが多くなった等)
反対に、不倫をしていることがばれないようにと考えて、必要以上に夫(妻)に関心があるように偽装することも考えられます。
- 妙にやさしくなった
- 服装や髪形など、ちょっとしたことでほめることが多くなった
金銭面
不倫をするためには、お金を使いますから、金銭面での兆候にも注意する必要があります。
もともと夫(妻)がいくら稼いでいるのか知らないということだとなかなか気づきにくいかもしれません。
家計の把握は普通に家庭を維持するためにも必要なことですので、どのくらいお金を使っているかは、日ごろから関心を持っておくとよいでしょう。
- カードの利用が増えた
- 知らない店のメンバーズカードやレシート類がある
- 夫(妻)名義の口座からの引き出しがこれまでより頻繁になった
- 保証人になっていた友人の借金を肩代わりした等お金が必要な理由を口にするようになった
不倫の兆候チェックについてのまとめ
恋愛するとその相手の好みに合わせようという気持ちが働きます。
急に以前とは違うことに興味を示すようなことがあれば、一応不倫を疑ってみるとよいかもしれません。
ただし、そのようなことがあっても不思議でない人かどうかは、それまでの生活の中で相手のことをどれだけ理解していたかということで違ってくるでしょう。
また、一般的には、妻の方が夫のちょっとした変化に勘が働くのではないでしょうか。
妻が髪をカットしても気にも留めない、そのような男性は注意した方がいいかもしれません。
「論より証拠」不倫の証拠は重要!
夫(妻)が不倫をしている!
相手に慰謝料を請求したい!離婚したい!などと考えた場合、不倫の証拠を集めることは非常に重要です。
事実を法律に当てはめて結論を出すのが裁判ですが、問題となる事実があったかどうかは、証拠により判断されます。
そこで、実際には不倫という事実があったとしても、それを証明する証拠がなければ、不倫の事実を裁判では認めてもらえないことになります。
まさに、「論より証拠」、不倫の事実が認められなければ、慰謝料も離婚も請求する根拠がないことになります。
そのため、証拠というのは非常に重要になります。
証拠の集め方
証拠は、不倫の事実を証明するものです。どんなものがあれば、不倫を証明することができるか考えてみましょう。
まず、不倫現場そのものを撮影した写真・動画、このようなものがあれば、まさに動かぬ証拠(動画は動いているけど…、という突っ込みはナシです。)
でも、こんな証拠があるということはほとんどないでしょう。不倫をしている当事者もそんな動かぬ証拠を押さえられてしまうようなことがないように気を付けているでしょう。
そこで、一般的には、間接的に不倫が疑われる証拠を積み上げていくことになります。
例えば、
- ホテル街を2人で歩いている写真
- 不倫相手とのメール
- 友人の目撃証言
等で証明することになります。
もちろん、当事者本人が認めていることを証拠化してもよいでしょう。
なお、不倫している夫(妻)でも、不倫相手でもプライバシーがありますから、その不当な侵害にならないように注意することが証拠を集める際に必要になります。
民事裁判においては、刑事裁判と異なり不当な方法で集めた証拠であっても、証拠として認められる可能性がありますが、あまりに不当なものであれば、裁判官も証拠とすることに躊躇することもあるでしょう。
刑事裁判ではGPSを用いた捜査について違法と判断した裁判例(最高裁 平成29年3月15日判決)もあります。
今後民事裁判においてGPSによる証拠の扱いがどうなるかはわかりませんが、注意しておく必要があるかもしれません。
なお、下級審の裁判例も原則として証拠能力を認め、著しく不当な手段で収集したような場合に限って証拠能力を否定するようです(東京地方裁判所平成27年3月17日判決、同平成25年10月9日判決等)。
- 東京地方裁判所平成27年3月17日判決
- 「民事訴訟法においては、自由心証主義が採用され、一般的に証拠能力を制限する規定も設けられていない以上、違法収集証拠とみられるものについても、原則として証拠能力を認め、問題となる証拠を訴訟において利用することが訴訟上の信義則(民事訴訟法2条)に反することとなる場合に限り、当該証拠の証拠能力が否定されるものと解すべきである。」
- 東京地方裁判所平成25年10月9日判決
- 「民事訴訟法は、いわゆる証拠能力に関して規定を置かず、当事者が挙証の用に供する証拠については、一般的に証拠価値はともかくとしても、その証拠能力についてはこれを肯定すべきものと解されている。しかし、その証拠が、著しく反社会的な手段を用い、人の精神的、肉体的自由を拘束する等の人格権侵害を伴う方法によって収集されたものであるなど、それ自体違法の評価を受ける場合は、その証拠能力も否定されるものと解すべきである。そこで、本件についてみるに、確かに、原告は、友人にDを尾行させ、Dや同人と一緒にいる者らの写真を隠し撮りしたり、所有者の許諾を得ることなく、車両にGPS機能の付いた携帯電話を設置して、Dの居場所を探索したりしたものである。このように、上記の各証拠はDらに無断で収集されたものであるが、当時のDらの精神的、肉体的自由を拘束するものではなく、その方法が著しく反社会的であるとまではいうことが困難であるから、証拠能力を欠くということはできない。」
有利になる証拠
証拠の集め方のところで説明しましたように、一つの証拠で不倫を証明するということは、あまりありませんが、以下のような証拠があると、不倫の事実が認められやすいです。
- 自白した証拠
- 不倫相手と親密そうに移っている写真
- 不倫相手との会話の録音データ
- メール、LINE等のデータ
- 当事者のルーティンの日記、メモ
- ホテルの宿泊記録、領収書等
弁護士へ相談することは強い味方が出来るということ
弁護士への相談は、すでに不倫したことが明らかになった段階で慰謝料を請求したい、請求されたのでどうすればよいかというものが大半です。
不倫が疑われるけれどどうしたら良いかという相談は少ないと言えます。
不倫の疑いがある場合には、まず、探偵事務所に浮気調査を依頼すること等を考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、これまでの不倫の慰謝料請求等の裁判を数多く手がけた経験から、
「こんな事実があれば、不倫している可能性が高いです。」
「慰謝料請求の交渉、裁判をにらんで、このような証拠を集めてください。」
以上のようなアドバイスをすることができますので、不倫が明らかになったわけではないけれど、その疑いがある、とお考えの方もご相談ください。
不倫は当事者が隠そうとするので、証拠を集めようと思っても簡単には集まらないでしょう。
また、これが証拠だ!と思っていろいろ集めてみたとしても、あまり決定的なものではなく、結局裁判では不倫の事実を証明できなかった、徒労に終わってしまった!そうなることも考えられます。
早い段階からご相談いただければ、証拠の収集方法など、有利な結果を導くため弁護士が強い味方になります。
弁護士が教える!ケースごとに見る行動のススメ
まだ弁護士へ相談すべきかどうか悩んでいる、今自分がどう行動すれば良いかわからない。
そんな方に向けて、不倫被害の状況に合わせた弁護士からの具体的アドバイスをいたします。
少しでもあなたのお悩みの解決のきっかけになれば幸いです。
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