労働者のための労働問題の解決方法

会社との労働問題は弁護士に相談しましょう

会社との労働問題は弁護士に

東日本大震災の復興需要、東京オリンピックに向けた需要、政府主導による給料の引き上げ等、ひところに比べて景気は回復傾向にあるという分析もあります。
しかし、いわゆるブラック企業問題など個々の職場においては長時間労働、パワハラ、残業代未払い等、依然として多くの問題が見られます。
仕事が大変なのはあたり前だからと思われている方もいらっしゃるかと思いますが、労働法規は、労働者の健康等も考えられて規定されていますので、ご自身の労働状況が法律に沿ったものであるかは考えてみる必要があります。
働き方についておかしいなと思ったら弁護士にご相談下さい。

残業代請求の方法と割増率

  • 1日8時間を超えて働いているのに基本給しか支払われていなかった!
  • 深夜労働をしているのに割増賃金が支払われていない!

労働契約で、記載されている所定労働時間を超えて労働が行われた場合、原則として、会社は労働者に対し時間外手当を支払う必要があります。
また、労働時間が労働基準法に定められた法定労働時間を超えた場合には、そのような時間外手当は法定の範囲内の残業の場合より、割増をした金額を支払わなければなりません。
それにもかかわらず、サービス残業などとして、これらの賃金が支払われない事例が見受けられます。
時間外の賃金が支払われていないと思ったら、弁護士 佐藤 剛志にご相談下さい。

残業代についての法律上の規制

労働基準法によれば、原則として週40時間、1日8時間の労働を超える労働に対しては残業代として割増賃金を支払うことが必要とされています。
また、午後10時から午前5時までの労働(深夜労働)、休日の労働に対しても残業代として割増賃金を支払うことが必要とされています。

各時間外労働の割増率については下表のとおりです。

労働の種類 賃金割増率
時間外労働 25%割増
休日労働 35%割増
深夜労働 25%割増
時間外+深夜労働 50%割増
休日+深夜労働 60%割増

時間給を基に割増率を乗じた金額が時間当たりの残業代となります。
例えば、時給1,000円の人の1時間当たりの時間外賃金は、
1,000円×1.25(25%割増)=1,250円となります。
休日深夜労働は、
1,000円×1.6(60%割増)=1,600円となります。
 
月給制の人は、月給を月の所定労働時間で割った金額が時間給となります。
例えば、月給25万円、月の所定労働時間が168時間(21日)の人の時給は、
250,000円÷168≒1,488円となります。
この人の1時間当たりの時間外賃金は、
1,488円×1.25(25%割増)=1,860円となります。
 
※通勤手当、住宅手当などは、労働の内容や量に関係しないので時間給を計算する際の月給には含めません(ただし、これらの手当が実質が賃金にあたる場合もありますので、具体的なケースについては弁護士にご相談下さい。)

会社が任意に残業代を支払わない場合

①労働基準監督署への申告

労働基準監督署へ時間外労働に対する未払い賃金が発生している事実を申告し、会社に対して残業代の支払いをするように指導してもらう方法があります。
ただし、労働基準監督官の意向により必ずしも必要な指導をしてくれるとは限らないことや、判決のような強制力をもって支払を命じてくれることはないことから、必ずしも問題解決につながらないこともあり得ます。

②訴訟の提起や労働審判の申立

会社が任意に支払をしない場合には、裁判所に対して訴訟を提起し、残業代を支払うよう判決をもらう必要があります。
裁判所への提訴については、本人により行うことも可能ですが、法的な判断や書面を作成する必要があるため、弁護士を通じて行った方が効果的といえます。
裁判所を介した場合には、紛争が比較的長期化する、弁護士費用がかかるなどのデメリットがありますが、「労働審判」という労働問題解決手続を利用して早期の紛争解決を目指すのも一つの効果的な方法です。

会社が残業代支払の請求に応じなくてよい場合

①給与の一定分が残業代を含んでいる場合

年俸制で給与が支払われている場合、一定の部分残業代が含まれているので別途には残業代が支払われないという場合があります。
ただし、残業代として含まれている部分を超える時間分の労働した場合には差額を請求できる場合もあります。

②管理監督者に該当する場合

会社の経営に一定以上関与する責任者的な立場にある者は、時間により労働する者ではなく自身の労務管理ができるので残業代が支払われません。
この管理監督者にあたるかどうかは単に役職名で判断するのではなく、その権限や待遇等から実質的に判断されます。

③みなし労働時間制

裁量労働制や事業場外労働など、使用者が労働時間を正確に把握することができない場合に、実際にはどれだけ働いても働かなくても所定労働時間働いたものとみなすので、残業代が支払われません。
ただし、この適用ができるためには法律上多くの条件が規定されています。

残業代を請求するために

残業代の支払いに関し会社の対応が間違っていると感じた場合には、まず一番大切な点は、自分がいつ、何時間くらい働いていたのかを確定することです。
タイムカードや業務日報など客観的な証拠を収集し、一日単位で可能な限り自分が働いていた時間を特定します。
労働時間を把握するのは企業が行うべきことですが、実際の労働時間を特定できなければ裁判所や労働基準監督署を動かすことは困難です。
手帳にメモした終業時間が証拠として認められた例もありますので、日々の労働時間をしっかりと把握するということが大切です。
 
労働時間について最低限の法的知識を持ち、サービス残業等による弊害を生じさせないよう気をつけましょう。

残業代請求などの労働問題でお悩みの従業員の方は、佐藤法律事務所へご相談下さい。
労働契約の内容や労働時間などを検討して、残業代を会社に請求できるかどうかの見込みをご説明いたします。

不当解雇された場合の解決方法

  • 明日から会社にこなくてよいと言われた!
  • 会社を辞めなくてはならないのか?

法律上、会社の労働者に対する解雇は厳しく制限されています。
解雇は会社側が自由に行ってよいものではなく、解雇を正当化する客観的・合理的な理由と、社会的な相当性がなくてはなりません。
しかし、実際には過大な仕事を押しつけたりして、本人から退職を申し出た形式を取るがその実質は不当な解雇であるということが多々見られます。
退職等の労働問題に関して不当だと感じたら弁護士 佐藤 剛志にご相談下さい。
会社に対し解雇の撤回を求め、職場復帰や合理的な金銭的条件による円満退職を実現するために、弁護士が会社との交渉、労働審判、仮処分、訴訟の代理を行います。

解雇とは?

法律上は、解雇とは使用者による労働契約の解約です。
つまり、会社が労働者の意思に関係なく(労働者との合意に基づかずに)退職させることは、解雇にあたるといえるでしょう。

使用者は自由に解雇できるのか?

法律上、使用者に解雇の自由は認められていません。
労働契約法16条には、「解雇は客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」と規定されています。
これは、「使用者は解雇を自由にできず、法律上正当な理由がなく解雇しても、その解雇には効力がない」 という意味です。
この規律は、解雇の種類に関係なく全ての解雇(懲戒解雇、諭旨解雇、整理解雇)に適用されます。
結果、上記の理由がない解雇については不当解雇として無効となるでしょう。

不当解雇とは?

どのような解雇が無効なのか?
・労働者の労務提供不能・労働者の能力欠如による解雇
一般的に、勤務成績不良による解雇については、相当程度、勤務能力が劣っていることが明白でない限り、法律上解雇が適法であるとは判断されにくく、不当解雇とされる場合が多いでしょう。
・従業員の規律違反行為による解雇
懲戒解雇は単なる解雇とは異なり「懲罰としての解雇」を意味することから、通常の解雇と比較して、従業員側により大きな落ち度が存在している必要があり、不当解雇として無効となりやすい傾向があります。
また、通常解雇であっても、就業規則違反行為の内容が軽微であれば、解雇は不当解雇として無効となり得ます。
・会社の業績不振を理由とする解雇(いわゆるリストラによる解雇)
1.本当に業績不振で人員整理が必要なのか
2.整理解雇を避けるための会社の十分な努力の有無
3.解雇の対象としてあなたが選ばれることの合理性
4.一定の手続をしっかりと踏まえてから解雇をしているのか
以上の4要件を検討し、当該解雇が不当解雇か否かが判断されます。

解雇予告手当

労働基準法上、会社が解雇を行うには、30日前の解雇予告、もしくは平均賃金の30日分の解雇予告手当の支給が必要となります。
会社から突然、「明日からこなくていい」と言われ、解雇予告手当の支給もないとすれば、その会社の行為は違法です。
そのような不当な解雇は、原則として、即時の解雇として無効と考えられます。

解決方法不当解雇された場合の解決方法

○紛争調整委員会によるあっせん

紛争調整委員会にあっせんを申し込むと、あっせん委員が指名され、労働者側、会社側の双方の意見を聞いて、事件の実情に即した解決案を提示してくれます。
(メリット)
・弁護士を立てずに自分自身で手続を利用しやすく、その場合弁護士費用の経済的負担がない
・(和解できれば)解決までの期間が短かくてすむ
(デメリット)
・会社の姿勢が強硬な場合、調停を開き不当解雇問題について協議の場につくことすらできずに手続が終了してしまう場合もあり得る
・調整委員がいくら会社を説得してくれても、会社の意思がかたくなであると強制的な和解はできない

○労働審判手続

裁判官を含む労働関係の専門家3名により、原則3回の期日において調停による解決を試みつつ、調停が不成立の場合には事案に即した審判を下すことにより労働問題の適切な解決を目的とする制度です。

(メリット)
・原則として3回の期日で結論がでるため、紛争解決に至るまでの期間が短くてすむ
・裁判官が関与し、審判という判決に類似する労働委員会による判断が下される

(デメリット)
・労働者に有利な審判がでても、会社が異議を出せば、通常訴訟の場で争うことになる
・短期間の内に法的に意味のある主張を十分に行い労働審判委員会に解雇の不当性を主張をするには、弁護士の助力が必要となることが多く、その場合弁護士費用の負担がかかる

○地位保全の仮処分

裁判所を利用する手続の一種ですが、通常の民事訴訟とは異なり、権利救済の緊急性が高い場合に利用される手続です。
(メリット)
・早期の手続により労働者の給与が確保され、労働者が生活の安定を得ることができる
・手続内で和解が成立する場合も多く、その場合民事訴訟を提起せずに問題が解決する
(デメリット)
・基本的には、再度通常の民事訴訟を提起しなければならない
・仮処分手続は早期の権利救済を目的とするが、裁判所の運用等から必ずしも早期の権利回復がなされていない現実もある

○通常民事訴訟

通常の民事裁判手続により解雇の不当性と当該解雇の無効を会社に対して主張するという方法です。
(メリット)
・裁判所による手続であり、判決という強制的な判断により事実関係や解雇の有効無効を明確にできる
・どんなに非協力的な会社でも訴訟に対応せざるをえないため、強制的に会社を紛争解決の場に引きだせる
(デメリット)
・解決までに時間がかかることが多い
・通常は弁護士を使って訴訟提起を行うため、弁護士費用がかかる(本人訴訟を除く)

セクハラ・パワハラ問題の基礎知識

労働問題で多く寄せられる相談の一つにセクハラやパワハラなどのハラスメント問題があります。
ハラスメントとはどのようなことを言うのか、具体的な説明をいたします。

セクハラ(セクシャル・ハラスメント)とは

相手の意に反する不快な性的言動を意味します。
以下のような分類があります。
・対価型ハラスメント
―性的要求を拒否したことなどを理由として雇用上不利益な決定を行うもの。
例えば、上司が交際を迫ったものの拒絶されたため、解雇、異動、降格、仕事の押しつけなどをする行為がこれにあたります。
・環境型ハラスメント
―性的な嫌がらせにより職場環境を悪化させるもの。例えば、職場にヌードポスターを貼る行為などがこれにあたります。

パワハラ(パワー・ハラスメント)とは

同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為をいいます(厚生労働省)。
具体的な類型としては、
①暴行・傷害等の「身体的な攻撃」、
②脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言等の「精神的な攻撃」、
③隔離・仲間外し・無視等の「人間関係からの切り離し」、
④業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害等の「過大な要求」、
⑤業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事をあたえないこと等の「過小な要求」、
⑥私的なことに過度に立ち入ること等の「個の侵害」
があるとされています。

セクハラ・パワハラ該当性の判断

具体的な行為がセクハラ・パワハラ行為にあたるかは、行為の態様、加害者の職場上の地位、被害者の年齢、両者のそれまでの関係、当該行為が行われた場所、反復継続性等から総合的に判断して、社会通念上相当と認められない行為が該当するとされます。

誰にどのような責任を追及するか

・行為者に対する請求
セクハラ・パワハラ行為を行った者に対しては、不法行為(民法709条)を構成する違法な行為として損害賠償請求をすることができます。
・会社(使用者)に対する請求
①行為者に不法行為が成立する場合、使用者責任(民法715条)に基づく損害賠償請求をすることができます。
②使用者は、労働者に対して職場環境を良好に維持する義務(職場環境配慮義務)を労働契約上の付随義務(信義則上の義務)または不法行為法上の注意義務として負っておいるので、その違反があったとして債務不履行責任(民法415条)または不法行為(民法709条)に基づいて損害賠償請求をすることができます。

責任追及に向けて注意すること

セクハラ・パワハラ行為は、他の者の目の届かないところで行われる場合も多く、特にパワハラ行為においては他の社員等が見ていたとしても、職場内で孤立させられてしまっている状況にあるときには、なかなかその事実を証明することが難しいといえます。
そこで、セクハラ・パワハラ行為を受けている場合には、日時・場所・具体的な行為の態様等をできるだけ詳細に記録しておくべきでしょう。
そして、社内メールの記録や録音等できる限り証拠となりそうなものを収集しておくべきでしょう。
さらに、社内に対策の部署があれば、具体的に相談をして改善を求め、相談をしたという事実(そこからセクハラ・パワハラ行為があることを推測させる)を残しておくことも重要な意味を持ちます。
 
これってセクハラ・パワハラ?と思われている方、まずは弁護士佐藤剛志にご相談下さい。
セクハラ・パワハラ行為等の労働問題に該当するかどうかの判断、裁判で立証するための証拠の収集方法等適切なアドバイスをいたします。

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