中高年のひきこもり
2019年04月22日
弁護士の佐藤剛志です。
先日、内閣府が中高年(40歳~64歳)のひきこもりが約61万3000人いるとの推計を公表しました。
これは、15歳~39歳のひきこもりの推計の約54万1000人を上回るのだそうです。
特に40代前半のひきこもりは、いわゆる就職氷河期世代で適当な職に就けなかったことが原因ではないかとの分析があります。
私は、就職氷河期の少し手前の世代ですが、バブル崩壊後に大学を卒業したので、近い状況にあったと思います。
もっとも、私は、バブル崩壊後の先輩たちの就職状況なども考えて、就職せずに司法試験の勉強をしていましたので、直接就職活動の厳しさを経験したわけではありません。
しかし、司法試験受験中は、特に試験直前になると部屋から一歩も出ず、起きている時間は食事や風呂以外は試験勉強という生活でしたので、1日だれとも話さないということもありました。
ひきこもりと言われるような状態でしたね。
もし試験に合格できなければ、私もひきこもりになっていた可能性はあったと思いますので、決して他人事とは言えないと思います。
現代は、表向きは多様な生き方が尊重されるようになってきていますが、実際には個人に求めるものが大きく、昔であればある程度なあなあにされていたことも厳しく追及されますので、生きづらいのかなと思います。
この問題に対して弁護士ができることは何かあるかと言われると、ひきこもりにならないように労働問題や債務の問題などは対応できますが、ひきこもりになった人をどのように支援していくかと考えると、なかなか思いつかないというのが正直なところです。