浮気って罪ですか???(その4)~不貞行為とは~
2022年04月06日
不貞行為とは何であろうか?
不貞行為とは、「配偶者のある者が、自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性的関係をもつこと」を言うものとされているようである。
性行為・肉体関係が、この「性的関係」に含まれることはいうまでもない。
では、性行為・肉体関係以外のものは、不貞行為には該当しないのであろうか。
この点、「第三者が相手方配偶者と肉体関係を結んだことが違法性を認めるための絶対的要件とはいえない」としている裁判例があったりするので(東京地裁平成17年11月15日判決)、常に肉体関係を要するということではないようである。
ポイントは、最高裁平成8年3月26日判決が考えている不貞事案における保護法益である「婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する利益」を侵害したかどうかということにかかってくる。
肉体関係に及んでいなかったとしても、この保護法益を侵害したと評価されれば、不貞行為に該当するものとされ得るのである。
そうすると、性交類似行為などの、婚姻関係を破綻に至らせる可能性がある異性との交流・接触についても、不貞行為に該当することがあるということになる。
(ひとこと)
条文を解釈する際に、その条文が作られた趣旨から考える、あるいは、その条文が保護する法益に遡って考える、というのは、法解釈のイロハである。
よく、「司法試験受験生は六法(全書)全部覚えるの?」みたいな質問を受けることがあるが、そんなことはない。
大事な条文を覚えることはあるが、それだけではなく、条文の趣旨(保護法益)、判例、学説等、条文の解釈の仕方を勉強しているといってよいだろう。