東電賠償
東電賠償は弁護士にお任せください
東日本大震災、それに伴う東京電力福島第一原子力発電所の事故。
当時避難区域やその周辺区域にお住まいであった方は大変な思いで避難されたと思います。
あれから10年以上の年月が経ち、当事務所のある福島県いわき市周辺でも新しい建物が建ち、表面的には復興が進んできていると感じられることもあります。
また、放射線量も徐々に下がってきて避難区域が縮小されてきてはいます。
しかし、当時大変な思いをされた方の損害はきちんと償われたと言えるでしょうか。
私、弁護士佐藤剛志は、震災当時は富岡町にも事務所を構え、自ら原発被害を受けた者として、原発の被災者の問題に取り組んで参りました。
そのなかで東京電力ホールディングスのホームページでは積極的な賠償に取り組むと断言しながら、できる限り賠償額を少なくしようとする同社の矛盾した姿勢を直接に感じてきました。
現在も東京電力に対する賠償についてADR手続や訴訟手続において、避難された方の思いに少しでも応えられるように努めております。
最近では、原子炉のデブリの問題や凍土壁の問題が明らかになる等、まだまだ原発問題は収束するまで時間がかかる状況にあるようです。
このような状況のなかで、まだ東京電力から十分な賠償を受けていないとお考えの方は、被災地の弁護士佐藤剛志にご相談下さい。
東京電力に対して賠償を請求する方法
原発事故による損害について、東京電力に賠償を請求する方法としては、
①東京電力に直接請求する②ADRを申し立てる
③訴訟を提起する
の3つの方法が考えられます。
このうち、弁護士がかかわる方法としては②、③の方法が主なものとなります。
直接請求
事案が簡易で、複雑な法律問題がない場合は、早期に支払いを受けることができ、ご自身で請求される限り費用がかからないという直接請求の方法にもメリットがあります。
しかし、東電が定めた基準により支払いがされるので、賠償額は少なくなるというデメリットがあります。
ADR手続(原子力損害賠償紛争解決センターに対する和解仲介申立)
ADR手続は、申立を受けて第三者である仲介委員、調査官(弁護士が選任されます)が、申立人と東電の間に入り事件についての双方の主張をみながら、和解案を提案し、事件の解決を図る手続です。
第三者である仲介委員が和解案を提示しますので、損害について積極的に立証することにより直接請求よりも妥当性のある金額での和解案が提示されることもあります。
裁判手続ではないので事故と損害の因果関係等を厳密に立証しなくても仲介委員が柔軟に判断して和解案を作成してもらえるケースもあります。
また、審理期間が裁判手続に比べて短い、申立の手数料が裁判手続に比べて少ないという点でメリットがあります(最近では、申立から和解案の提案まで半年以上かかることが多くなっており、長期化する傾向にあります)。
ただし、和解手続ですので、東電が受諾しない場合には成立しません。
また、ある程度資料や証拠を提出する必要があるので手続上の負担はあります。
裁判手続
直接請求やADR手続でも納得のいく賠償が得られない場合、裁判手続で賠償を求めることになります(もちろん、最初から裁判手続を選択することも可能です)。
裁判官による判断なので、法律に照らして相当な額の賠償を受けられる可能性が高く、裁判で決まった和解や判決には強制力があるという点でメリットがあります。
しかし、裁判の費用がかかる点や、裁判手続ですので事故と損害の因果関係等の判断が厳密になされるなど解決するまでの期間が長くかかるといったデメリットがあります。
当事務所では、ご相談者様の意向を考えながら(多少賠償額が下がっても早期の解決を目指すか、時間がかかっても、できるだけ多くの賠償を得ることを目指すか)、適切な解決方法についてご提案いたします。
時効
事故から6年以上経っているけれど時効にかかっていることはないの?
事故による損害賠償請求は、不法行為に基づく請求ですので、通常は、損害及び加害者を知った時から3年で消滅時効にかかります。
また、事故の時から20年で請求ができなくなります(除斥期間)。
しかし、原発による被害の重大性などから東電に対する賠償請求の消滅時効期間は、特例法により10年とされました。
また、除斥期間は、損害が生じたときから20年とされました。
さらに、ADR手続を利用した場合、手続中に時効期間が経過してしまったとしても、原子力損害賠償紛争解決センターが解決の見込みがないと判断して和解仲裁手続を打ち切った場合に、打切りの通知を受け取ってから1ヶ月以内に訴訟を提起した場合には、ADR手続の申立時点に訴訟を提起したものとみなされて、時効が中断し、時効は完成していなかったものとされます。
これによって、手続中に時効にかかってしまうということを心配せずにADR手続を積極的に利用することができます。
※注意点
1 手続の打ち切りではなく、自己都合で取り下げた場合には、時効の中断の効果は認められません。
2 時効の中断が認められるのは、申し立てた損害に限られます。
たとえば、個人事業者の方が、ご自身の精神的損害について慰謝料を請求していた場合、当該慰謝料についてのみ時効が中断し、営業損害等については時効にかかってしまいます。