上訴・再審(その2)~上訴とは②~控訴1 控訴雑感(民事)
2022年04月28日
現在、私は、福島県弁護士会に登録して、いわき駅の駅前に事務所を構えている。
福島県では、県庁所在地の福島市に、福島地方裁判所と福島家庭裁判所の本庁がある。
そして、いわき市には福島地方裁判所と福島家庭裁判所のいわき支部がある。
福島地家裁のいわき支部で判決が出された場合、控訴するかどうかは毎回悩みどころである。
なぜか?
それは、管轄の高裁が仙台にあるからである。
仮に、高裁事件を受任する場合、仙台出張が入ると、一日の大半の時間を使うことになる。
また、依頼者に対して、日当や交通費を請求するということにもなる。
第1回口頭弁論で控訴した側が出頭しないと控訴審が開かれないということになりかねないので、
最低一回は仙台に出向かなければならないということを考えると、
いわき市で弁護士をしていて、いわき支部の判決についての控訴事件を受任する際には、
こういったところも考える必要があるのだ。
(ひとこと)
仙台高裁でもこの辺のところは配慮してくれていて、極力電話会議で済む手続きを多く利用してくれている。
弁論準備手続(これは一方が電話でも可)とか、書面による準備手続(裁判所と双方当事者が電話でやりとり)とか。
現在、裁判所では、web上で裁判手続きができるように準備を進めているところである。
どのような形になるのか全貌は明らかではないが、裁判手続きの利用が効率的になるような改善には期待したいと思う。
(ITにアクセスできない利用者へのケアなどもしっかり対策はしてほしいとは思うが)