浮気って罪ですか???(その9)~浮気が罪だった時代もある①姦通罪~
2022年04月13日
前回までのところでは、わが国では、罪刑法定主義が取られていて、法律に規定がないと犯罪にならないし、処罰されることがないことに触れた。
そして、現行法上は、浮気を処罰する規定がないので、浮気をしても罪に問われることはないということを述べた。
ところが、かつては、わが国でも浮気関係が処罰されていた時代がある。
旧刑法(明治13年太政官布告第36号)の第353条では、夫のある女子が姦通した場合、6か月以上2年以下の重禁錮に処するものとされ、その女子と相姦した者も同様とされていた。
なお、この罪は、夫の告訴がなければ公訴を提起することができないとされ、夫が自ら姦通を認めていた場合は、告訴は効力を有しないものとされていた。
この条文は、旧刑法(明治40年法律第45号)の第183条にも、ほぼ同内容で引き継がれていた。
この罪が廃止されるのは、第二次世界大戦後の昭和22年10月26日の刑法改正による。
(ひとこと)
廃止のきっかけは、いうまでもなく、戦後施行された日本国憲法によるところが大きい。
日本国憲法第14条では、平等権・平等原則が規定されており、両性の平等についても規定されるに至った。
姦通罪は、夫婦のうち、女性のみに不利な規定となっており、廃止されるに至ったのである。