あなたの条文(5月18日) 民法518条 更改後の債務への担保の移転
2020年05月18日
日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、5月18日の今日は、「518条」がらみの条文を紹介したいと思います。
今日は、民法518条を取り上げます。この4月から、新民法が施行されております。この条文も改正された条文です。
改正前の民法518条は、以下のように規定しておりました。
「(更改後の債務への担保の移転)
第五百十八条 更改の当事者は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。」
改正により以下のようになりました。
「(更改後の債務への担保の移転)
第五百十八条 債権者(債権者の交替による更改にあっては、更改前の債権者)は、更改前の債務の目的の限度において、その債務の担保として設定された質権又は抵当権を更改後の債務に移すことができる。ただし、第三者がこれを設定した場合には、その承諾を得なければならない。
2 前項の質権又は抵当権の移転は、あらかじめ又は同時に更改の相手方(債権者の交替による更改にあっては、債務者)に対してする意思表示によってしなければならない。」
1項について、改正前は、当事者の合意により質権や抵当権を改正後の債務に移転できるものとされていました。改正後は、債権者の単独の意思表示でできることとしました。
2項について、一旦更改をしてしまうと、旧債務がなくなってしまうので、それとともに質権や抵当権も消えてしまいます(これを「附従性」と呼んでいます)。そのため、質権や抵当権の移転の意思表示は、旧債務が存在する間(あらかじめ又は同時)に行わなければならないとしたのです。