あなたの条文(5月5日) 民法505条 相殺の要件等
2020年05月05日
日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、5月5日の今日は、「505条」がらみの条文を紹介したいと思います。
今日は、民法505条を取り上げます。この4月から、新民法が施行されております。この条文は改正された条文の1つです。
民法505条からは、「相殺」(そうさい)の規定です。債権が対立している場合に、「相殺」をすると、債務をなくすことができるというものです。
改正前の505条は、以下のように規定されていました。
「(相殺の要件等)
第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定は、当事者が反対の意思を表示をした場合には、適用しない。その意思表示は、善意の第三者に対抗することができない。」
改正後の民法505条は以下のように規定しています。
「(相殺の要件等)
第五百五条 二人が互いに同種の目的を有する債務を負担する場合において、双方の債務が弁済期にあるときは、各債務者は、その対当額について相殺によってその債務を免れることができる。ただし、債務の性質がこれを許さないときは、この限りでない。
2 前項の規定にかかわらず、当事者が相殺を禁止し、又は制限する旨の意思表示をした場合には、その意思表示は、第三者がこれを知り、又は重大な過失によって知らなかったときに限り、その第三者に対抗することができる。」
改正前の2項では、「善意の第三者に対抗することができない」としていましたが、判例は、「悪意」について、悪意の場合だけでなく、善意であっても重過失がある場合も含むものと解釈しておりました。かかる考え方が、改正法では明文化されました。