あなたの条文(4月22日) 民法422条の2 代償請求権(新設)

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佐藤法律事務所

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2020年04月22日

日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、4月22日の今日は、「422条」がらみの条文を紹介したいと思います。
今日は、民法422条の2を取り上げます。
この4月から、新民法が施行されております。

民法422条の2は以下のとおり規定しています。

「(代償請求権)
第四百二十二条の二 債務者が、その債務の履行が不能となったのと同一の原因により債務の目的物の代償である権利又は利益を取得したときは、債権者は、その受けた損害の額の限度において、債務者に対し、その権利の移転又はその利益の償還を請求することができる。」

 新設規定ですが、全く新しい考え方ではなく、判例や学説上認められてきた考え方を明文化したものです。

この考え方を示した最高裁の判例もあります(最判昭和41年12月23日)。

最判の事案は、次のようなものでした。甲所有の土地上に、乙が家屋を建てる代わりに、その家屋は乙が1年間使用したら甲に所有権を移転し、その後は、甲は乙に家屋を賃貸するという契約をした。しかし、その家屋の完成直後、原因不明の火事で焼失してしまった。この火事を原因として、乙は、火災保険金を受け取った。甲は、この火事により、この家屋の所有権の移転を受けることができなくなり、本来得られたはずの利益を失った。甲は、乙に対して、目的物である家屋の代償として、乙が受け取った火災保険金を渡すように求めた。

最高裁は、以下のように述べて、甲の主張を認めました。

「一般に履行不能を生ぜしめたと同一の原因によって、債務者が履行の目的物の代償と考えられる利益を取得した場合には、公平の観念に基づき、債権者において債務者に対し、右履行不能により債権者が被りたる損害の限度において、その利益の償還を請求する権利を認めるのが相当であり、民法536条2項但書の規定は、この法理のあらわれである。」

この記事を書いた人

佐藤 剛志

弁護士 佐藤 剛志
福島県いわき市出身
慶応義塾大学卒業
2005年 福島県いわき市に佐藤法律事務所を開所

地域の皆様から頼られる弁護士であるために、どんな分野でも取り組めるよう、常に研鑽していく所存です。 分野を問わず、お気軽にご相談いただきたいと思います。

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