あなたの条文(4月5日) 新型インフルエンザ等対策特別措置法45条 感染を防止するための協力要請等

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2020年04月05日

日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、4月5日の今日は、「45条」がらみの条文を紹介したいと思います。

今日は、非常にタイムリーな条文である新型インフルエンザ等対策特別措置法を取り上げます。この法律は、今年3月13日に改正法が公布され、3月14日に施行されております。同法45条は、以下のように規定しております。

「(感染を防止するための協力要請等)
第四十五条 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、当該特定都道府県の住民に対し、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間並びに発生の状況を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間及び区域において、生活の維持に必要な場合を除きみだりに当該者の居宅又はこれに相当する場所から外出しないことその他の新型インフルエンザ等の感染の防止に必要な協力を要請することができる
2 特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等緊急事態において、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため必要があると認めるときは、新型インフルエンザ等の潜伏期間及び治癒までの期間を考慮して当該特定都道府県知事が定める期間において、学校、社会福祉施設(通所又は短期間の入所により利用されるものに限る。)、興行場(興行場法(昭和二十三年法律第百三十七号)第一条第一項に規定する興行場をいう。)その他の政令で定める多数の者が利用する施設を管理する者又は当該施設を使用して催物を開催する者(次項において「施設管理者等」という。)に対し、当該施設の使用の制限若しくは停止又は催物の開催の制限若しくは停止その他政令で定める措置を講ずるよう要請することができる
3 施設管理者等が正当な理由がないのに前項の規定による要請に応じないときは、特定都道府県知事は、新型インフルエンザ等のまん延を防止し、国民の生命及び健康を保護し、並びに国民生活及び国民経済の混乱を回避するため特に必要があると認めるときに限り、当該施設管理者等に対し、当該要請に係る措置を講ずべきことを指示することができる
4 特定都道府県知事は、第二項の規定による要請又は前項の規定による指示をしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。」

 新型コロナが蔓延しており、報道では、「いつ緊急事態宣言を出すのか」という話題で持ちきりになっております。さて、緊急事態宣言を出すと何が変わるのかということですが、具体的には、今回取り上げた条文の適用が可能になってくるということになります。

首相の一言で、ほとんどの学校がお休みになっていますが、これはあくまでも首相の要請に自発的に応じているという建前であり、法的な根拠は明確ではありません。しかし、「緊急事態」ということになれば、この条文の適用が可能になりますから、「都道府県知事」において、この条文に記載されているような「要請」が法的に可能になるわけです。諸外国と比べると、罰則等がないため、強制力がないのではないかという批判もあり得ますが、今まで、法的根拠のない段階でも、学校をお休みにしていたわけですから、法的な根拠のある緊急事態宣言を出せば、まあさすがに従いますよね、というのが大方の見方でしょう。

3項や4項で、「指示」に従わない施設管理者は「公表」されてしまうわけですが、そんな「公表」をされた施設は、ネットなどで叩かれるのは想像に難くないところであり、それこそ廃業になりかねません。わが国では十分に効果があると思われます。

逆に言えば、それだけ国民の権利に強い制限を加えることが可能な条文ですので、可能な限り適用しないようにしようという為政者の態度もわからないではありません。とにかくコロナ禍が一日でも早く収まることを祈りたいと思います。

 

この記事を書いた人

佐藤 剛志

弁護士 佐藤 剛志
福島県いわき市出身
慶応義塾大学卒業
2005年 福島県いわき市に佐藤法律事務所を開所

地域の皆様から頼られる弁護士であるために、どんな分野でも取り組めるよう、常に研鑽していく所存です。 分野を問わず、お気軽にご相談いただきたいと思います。

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