あなたの条文(4月2日) 刑法42条 自首 

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2020年04月02日

日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、4月2日の今日は、「42条」がらみの条文を紹介したいと思います。

今日は、刑法42条を取り上げます。同条は、以下のように規定しております。

「(自首等)
第四十二条 罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したときは、その刑を減軽することができる。
2 告訴がなければ公訴を提起することができない罪について、告訴をすることができる者に対して自己の犯罪事実を告げ、その措置にゆだねたときも、前項と同様とする。」

 刑法42条は「自首」について規定しています。よく、ドラマなどで、警察に追われている容疑者(被疑者)に対して、関係者が「自首しろ」などと説得するシーンがあったりします。こういった場合、法的に意味があるのか検討してみましょう。

最高裁昭和23年5月14日判決は、「捜査機関に発覚する前」とは、犯罪事実および犯人が誰であるかが捜査機関に判明していて、犯人の所在だけが判明しない場合を包含しない、としています。つまり、被疑者になっている段階で自首したとしても、刑法42条の適用はなされないということになってしまうわけですね。あとは、せいぜい、酌量による減軽(刑法66条)がなされるかどうかということになります。

また、そもそも、刑法42条も、「刑を減軽できる」(任意的減軽)としているのみであり、「刑を減軽する」(必要的減軽)としているわけではありません。ですので、「自首」をしたからといって、当然に刑が軽くなるというわけではないのです。まあ、ドラマを見ながらそんなうんちくを言うと、周りの人から白い目で見られるので、ドラマはドラマとして楽しみましょう。

この記事を書いた人

佐藤 剛志

弁護士 佐藤 剛志
福島県いわき市出身
慶応義塾大学卒業
2005年 福島県いわき市に佐藤法律事務所を開所

地域の皆様から頼られる弁護士であるために、どんな分野でも取り組めるよう、常に研鑽していく所存です。 分野を問わず、お気軽にご相談いただきたいと思います。

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