あなたの条文(3月25日) 刑事訴訟法325条 任意性の調査

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佐藤法律事務所

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2020年03月25日

日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、3月25日の今日は、「325条」がらみの条文を紹介したいと思います。

今日は、刑事訴訟法325条を取り上げます。この条文は、以下のように規定しています。

「〔任意の供述であることの調査〕
第三百二十五条 裁判所は、第三百二十一条から前条までの規定により証拠とすることができる書面又は供述であつても、あらかじめ、その書面に記載された供述又は公判準備若しくは公判期日における供述の内容となつた他の者の供述が任意にされたものかどうかを調査した後でなければ、これを証拠とすることができない。」

 伝聞法則、伝聞例外について書いてきましたが、その流れで規定されている条文です。判例は、この調査の趣旨ついて、「任意性の程度が低いため証明力が乏しいか若しくは任意性がないため証拠能力あるいは証明力を欠く書面又は供述を証拠として取り調べて不当な心証を形成することをできる限り防止しようとする趣旨」としています(最高裁判所昭和54年10月16日決定)。この判例は、続けて、「(任意性の調査は)通常当該書面又は供述の証拠調べに先立って同法321条ないし324条による証拠能力の要件を調査するに際しあわせて行われることが多いと考えられるが、必ずしも右の場合のようにその証拠調べの前になされなければならないわけのものではなく、裁判所が右書面又は供述の証拠調後にその証明力を評価するにあたってその調査をしたとしても差し支えない」としております。

要は、調査の仕方としては、裁判所が相当と考える方法で行えば足りるということであり、任意性の調査のための手続きを別途設けるというような必要はないということです。

また、次条(刑事訴訟法326条)の同意書面については、この調査をする必要はないものとされております。

この記事を書いた人

佐藤 剛志

弁護士 佐藤 剛志
福島県いわき市出身
慶応義塾大学卒業
2005年 福島県いわき市に佐藤法律事務所を開所

地域の皆様から頼られる弁護士であるために、どんな分野でも取り組めるよう、常に研鑽していく所存です。 分野を問わず、お気軽にご相談いただきたいと思います。

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