あなたの条文(3月12日) 民事訴訟法312条

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2020年03月12日

日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、3月12日の今日は、「312条」がらみの条文を紹介したいと思います。

刑事訴訟法312条は、起訴状の変更について規定しております。訴因変更は、刑事訴訟法では超メジャー論点ですが、昨日も刑事訴訟法だったので、来年以降にしたいと思います。

今回は、民事訴訟法312条を取り上げたいと思います。民事訴訟法312条は以下のように規定しております。

「(上告の理由)
第三百十二条 上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。
2 上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。
一 法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
二 法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
二の二 日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。
三 専属管轄に関する規定に違反したこと(第六条第一項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
四 法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
五 口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
六 判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。
3 高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。」

 「日本の裁判は三審制」ということは広く知れ渡っているところですが、条文を見ていただくと、上告理由はかなり厳しくて、上告が相当制限されていることがわかります。1項では、「判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があること」を要件としていますが、判決が憲法に反しているということはなかなかあることではありません。2項の1号から5号までのところも、ちゃんと訴訟運営がなされていれば、通常起こりえないところです。そうすると、2項の6号にある「判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること」という要件にからめて上告理由を展開することが多いと思います。

さて、私が、自分の受任した事件で最高裁の上告審の経験は、後にも先にも1回しかありませんが、法廷で勝訴結果を聞いたときは感慨深いものがありました。

 

この記事を書いた人

佐藤 剛志

弁護士 佐藤 剛志
福島県いわき市出身
慶応義塾大学卒業
2005年 福島県いわき市に佐藤法律事務所を開所

地域の皆様から頼られる弁護士であるために、どんな分野でも取り組めるよう、常に研鑽していく所存です。 分野を問わず、お気軽にご相談いただきたいと思います。

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