運転中止と要介護リスク
2019年09月16日
弁護士の佐藤剛志です。
高齢運転者の重大な事故が相次いだことから、免許の返納等が問題になっていましたが、筑波大の研究グループが運転を中止すると要介護状態になるリスクが運転を続けている人に比べて2.2倍になるという結果を発表したというニュースがありました。
この研究では運転をやめたが、公共交通機関等を使って外出している人のリスクは1.7倍という結果になったそうです。
このことから運転をやめると外出しなくなり、健康に悪いのではないかと分析されています。
また、別の研究で近所付き合いのある高齢者の方が要介護状態になる確率は低いという結果もあるそうです。
他にもスポーツグループに参加している高齢者は要介護リスクが低いという研究結果もあるようです。
このことから考えると、できるだけ他の人との交流を持つことが要介護状態になることを避けるためにはよいということのようですね。
運転の問題は、他者への危害を加えるリスクと要介護リスクの比較という本来別の次元の問題を比較することになるのかもしれません。
これまで経済や人口が拡大してきた中では、街も郊外は、商業施設も郊外の幹線道路沿いへと拡大してきましたが、これからは運転しなくても高齢者が自由に移動できる街づくり、車に頼らないコンパクトな街づくりということを考えることになるのでしょうね(実際に実現のためには費用やこれまでの生活パターンを変えることができるかといった様々な問題があるのでしょうが…)。