消費者白書
2019年06月26日
弁護士の佐藤剛志です。
2019年度版の消費者白書が閣議決定されました。
2004年をピーク(約67万6000件)に一時件数が減少していた架空請求に関する相談が2017年(約16万1000件)、2018年(約25万8000件)と再び増加しているそうです。
特に2018年は裁判所等の名前を語る各請求のはがきについての相談が約18万8000件と2017年の約5万8000件から3倍以上増加しています。
そして、相談者の約9割が50歳以上の女性で占められ、短期に特定の地域に集中して送付される傾向があるようです。
従前は、架空請求は、電子メールやSNSによる請求の割合が高かったのですが、はがきによるものが増えてきたのは以下のような理由でしょうか。
消費者白書の見解ではなく、私見に過ぎませんが、
①電子メールやSNSによる架空請求の手口が周知されてきたこと
②電子メールやSNSより印刷物である郵便物による請求の方を信用しやすいと考えられること
などでしょうか。
1つの手口が周知されて被害件数が減ってくると、また新たな別の手口が用いられるということが繰り返されていますので、消費生活センターの広報や国民生活センターのホームページなどを注意しておくことが必要ですね。