動物愛護法改正
2019年06月25日
弁護士の佐藤剛志です。
6月12日に改正動物愛護法(「動物の愛護及び管理に関する法律」)が成立しました。
主な改正点としては以下の通りです。
・犬猫にマイクロチップの装着を義務付け
チップには15ケタの番号が記録されており捨て犬や捨て猫を防ぐ目的です。
ブリーダーなどには装着を義務付け、一般の飼主には努力義務とするそうです。
改正法交付後3年以内に施行されます。
・動物虐待罪の厳罰化
近年動物愛護法違反の事案が増加しており、2000年以前は、起訴の件数が年間3,4件程度だったものが、2016年は33件、2017年は38件という数字になっています。
そこで、ペットの殺傷に関しては、法定刑を「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」から「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に引き上げました。
なお、刑法上は、飼い主のいる動物は、飼い主の所有する「財物」として扱われますから、これを殺傷することは「器物損壊罪」(刑法261条)に当たります。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」ですから、今回の改正で、懲役については器物損壊罪よりも重くなり、懲役・罰金とも器物損壊罪よりも動物虐待罪が適用される方が重くなるということになります。
・子犬、子猫の販売期間の制限
これまで生後7週間を超えれば販売可能とされていましたが、生後8週間を超えることにされました。
あまり早期に親から引き離すと、問題行動が出る可能性が高いからだそうです。
私も犬を飼っていますが、ペットは責任をもって大切に飼って欲しいと思います。