浮気って罪ですか???(その7)~「罪」とは➂~罪刑法定主義
2022年04月11日
前回のところでは、古代や中世などでは、法を執行する者が「犯罪」と考えたものが犯罪とされ、処断されてしまうという、いわゆる「罪刑専断主義」が採用されていたということを述べた。
為政者の気分次第で、犯罪者にされてしまい、命まで奪われかねない世の中というのは、なかなか生きづらいと思う。
普通に生活しているつもりでも、為政者から犯罪者とされれば、抗うべくもなく「犯罪者」となってしまうのだ。
現代社会に生きる我々において、このような制度が受け入れられないことはいうまでもない。
わが国では、罪刑法定主義という原則が採用されている。
罪刑法定主義とは、ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法令で、犯罪及び刑罰を規定しておかなければならないとする原則である。
罪刑法定主義は、次の2つの原理を根拠とするとされている。
1 自由主義
どのような行為が犯罪に当たるかを国民にあらかじめ知らせることで、それ以外の活動が自由であることを保障する。
2 民主主義
何を犯罪とするかや、どういう処罰をするかについて、国民の意思を反映させるために、国民の代表者で組織される国会によって定めるべきである。
(ひとこと)
あらかじめ犯罪及び刑罰について定められていることで、犯罪とされる行為をしない限りは処罰されることもないのであり、行動が委縮することもなくなるのはとてもよいことだと思うだろう。
一方、国民の代表者で組織される国会により犯罪及び刑罰が定められることも大切なことではある。ただ、国民の代表者で組織される国会で定められた以上は、「そんな法律、知りませんでした」という言い訳が通らなくなることは注意しなければならない(「法の不知は恕せず」=ローマ法以来の格言らしい)。