あなたの条文(4月12日) 民法412条の2 履行不能(新設)
2020年04月12日
日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、4月12日の今日は、「412条」がらみの条文を紹介したいと思います。
今日は、民法412条の2を取り上げます。この4月から、新民法が施行されておりますので、これからは、可能な限り民法を取り上げていきたいと思います。この条文は、新民法により新設された条文です。
「(履行不能)
第四百十二条の二 債務の履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして不能であるときは、債権者は、その債務の履行を請求することができない。
2 契約に基づく債務の履行がその契約の成立の時に不能であったことは、第四百十五条の規定によりその履行の不能によって生じた損害の賠償を請求することを妨げない。」
履行不能については、債務の履行が、成立の時には可能であったが、その後発生した債務者の責に帰すべき事由により不能となること、などと説明されており、 債務不履行の一種とされておりましたが、従来は、条文の規定がありませんでした。412条の2第1項では、履行不能の場合には、債権者は、債務の履行を請求できないものとされております。
2項は、契約の成立時に、すでに、債務の履行が不可能な場合について規定しています(契約の前に目的物が消滅してしまっていた場合など)。このような場合を、講学上、「原始的不能」と呼んでおります。従来、このような場合についても条文の規定がなかったので、解釈によって、損害賠償を認めてきました。今般、改正によって、この場合について損害賠償請求ができると規定したのです。