あなたの条文(3月11日) 刑事訴訟法311条

ホーム > ブログ > 制度 > あなたの条文(3月11日) 刑事訴訟法311条
佐藤法律事務所

福島県いわき市で、頼れる弁護士として皆様の悩みを解決いたします。

ご相談予約専用フリーコール

0800-100-2413

営業時間 9:30〜18:30(土日祝日を除く)

無料相談受付中

秘密厳守

2020年03月11日

日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、3月11日の今日は、「311条」がらみの条文を紹介したいと思います。

3月11日には東日本大震災が起きた日ですね。とりわけ、我々福島県民にとっては、原発事故が発生した日でもあり、忘れることはできません。

311条ですが、民法311条は、動産の先取特権について規定しています。そもそも、民法を勉強していない人にとっては、「動産の先取特権」の読み方すらわからん!という話かと思います。これは、「どうさんのさきどりとっけん」と読みますが、資格試験で民法が試験科目の人くらいしか覚えないようなマイナーな分野ですので、今回はパスします。

刑事訴訟法311条1項は、「被告人は、終始沈黙し、又は個々の質問に対し、供述を拒むことができる。」として、被告人の黙秘権について規定しています。ちなみに、この条文は、刑事訴訟法「第三章 公判」「第一節 公判準備及び公判手続」のところの規定ですので、公判廷、すなわち裁判の法廷において黙っていてよいということを認めているのです。

これは、憲法38条1項が、「何人も、自己に不利益な供述を強要されない。」として、自白強要の禁止を規定していることを受けた規定とされています。これについては、被告人が、たとえ現実に罪を犯した者であっても、自ら有罪となる供述をなすべき義務を法律で負わせることは、人格を尊重する観点から許されない(自己負罪の拒否)という、英米の刑事裁判の長い歴史の中で培われてきた原則を我が国の憲法も採用したものであると説明されています(前田雅英 刑事訴訟法講義 第4版)。

刑事裁判の法廷に行ったことがある方は、冒頭手続の中で、裁判官が被告人に黙秘権の告知をしているのを見られたと思います。一度でいいので、刑事裁判は見ていただきたいと思います。

この記事を書いた人

佐藤 剛志

弁護士 佐藤 剛志
福島県いわき市出身
慶応義塾大学卒業
2005年 福島県いわき市に佐藤法律事務所を開所

地域の皆様から頼られる弁護士であるために、どんな分野でも取り組めるよう、常に研鑽していく所存です。 分野を問わず、お気軽にご相談いただきたいと思います。

佐藤法律事務所 佐藤 剛志