原発ADR
2019年03月12日
弁護士の佐藤剛志です。
昨年(平成30年)は、原発ADRの打ち切り件数が49件と、過去最多になったことから経産相が東電に対して和解を進めるように指導するそうです。
私の実感としても、東電の姿勢は厳しいものであり、最近はADRによらずに訴訟を提起することもありました。
原発事故から大分時間が経過したこともあり、事実関係の確認や事故と損害の因果関係の認定が以前より手間がかかるようになっていることはあるとは思います。
しかし、東電は、いろいろな理由を探し出して何とか賠償しない方向で交渉に臨んでいるという感じでした。
東電はホームページに「3つの誓い」として
1.最後の一人まで賠償貫徹
2.迅速かつきめ細やかな賠償の徹底
3.和解仲介案の尊重
を謳っているのですが、実際の対応については、どこまで本気で誓っているのかという感じでした。
今回の指導で、東電の姿勢がどこまで変わるのか分かりませんが、自らの立てた誓いを十分に尊重して欲しいと思います。