特別養子
2019年02月07日
弁護士の佐藤剛志です。
特別養子の対象年齢を15歳未満に引き上げる民法改正案要綱を法制審議会がまとめたそうです。
特別養子は、普通養子と異なり、実親との間の権利義務の関係を消滅させ、養親との間にのみ親子関係を生じさせるものです。
最近では、児童虐待のニュースを目にすることが多いと思いますが、このような場合には実親との関係を切り離した方が子供にとって良いと考えられることもあります。
そして、一時的な保護で虐待が無くなるような場合であればともかく、実親に問題がある場合には、法律的にも実親との関係を消滅させた方が良いと考えられることもあります。
この場合に、実親のように育ててくれる養親がいれば、その養親との間に法律的に実親と同様の関係を認めることによって、子の福祉を図ることが良いと考えられることもあります。
従来は、実親と同様の自然な養育関係を重視して、特別養子の対象年齢は、原則6歳未満とされていました。
しかし、子の福祉の観点からは、より高い年齢でも特別養子を認めるべきではないかとの議論がなされ、今回の引き上げが決められたものです。
特別養子を認めるための家庭裁判所の手続きも、改正法では、縁組の必要性の判断と養親を決定する判断の2段階に分けて、よりきめ細かな対応が取れるような制度が考えられています。