運転免許の返納
2019年10月07日
弁護士の佐藤剛志です。
今年の1月から8月までで県内で運転免許を返納した人は4,943人、で昨年の同時期に比べて1,018人増加したそうです。
高齢者による重大な事故が大きく問題になっていることから免許を返納する人が増えているのでしょうね。
また、免許を保有している高齢者の数自体が増加しているということもあると思います。
ところで、福島県警が平成29年に自主返納者を対象にアンケートを行っています。
このアンケートでは、返納前に運転の不安を感じていた人が39.7%、時々感じていた人が22%と多くの人が自身の運転に不安を抱えていたといたようです。
しかし、運転の目的は、買物が42.6%、通院が19.1%
運転頻度は、毎日が36%、週に3~4回が19.3%と運転する必要性がかなり高かったことが分かります。
そして、返納者のうち最寄りのバス停まで10分以内の人は53.6%に対し、20分以上は24.9%でした。
また、家族が運転できる人は65%、家族が運転できないあるいは1人暮らしの人が35%でした。
返納後の生活の支障の有無として、買物等が不便になったという回答が50%で返納して良かったこととして事故の不安がなくなったというのが42.2%
返納後の支援としてタクシーやバスの割引を求めている人が合計54.9%という結果も出ています。
これら結果をみると、自身の運転にある程度不安を感じてはいるが、代替の交通手段がないのでやむを得ず運転をしているという状況があると思われます。
返納後の生活の支障として、運転する楽しみが失われたという回答をした人も9.9%いましたが、運転すること自体というよりも、生活のための移動手段をどのように確保するか、特に地方では自動車による移動を前提に社会が作られているといえますので、自動車に頼らない街づくりを将来に向けて考えていく必要があるのでしょうね。