所有者不明土地法
2019年06月10日
弁護士の佐藤剛志です。
所有者不明土地法(正式名称は、「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法」と言う法律です)の利用に関する部分について6月1日に施行されました。
この法律は、所有者不明土地の増加により、公共事業の推進等に支障が出ているため、その対策として制定されました。
その内容として、
①自治体等に対して、所有者不明土地の探索や管理に必要な制度を設けるよう求める
②公共事業における収用手続の合理化・円滑化(所有権の取得)をはかる、地域福利増進事業の創設(利用権の設定)というものが定められていました。
このうち、①については、平成30年11月15日に施行されていましたが、今回②について施行されました。
道路や公園、公民館や病院などの地域住民その他の者の共同の福祉又は利便の増進を図るために行われる事業のために、一定の手続きを経て都道県知事の裁定により最長10年の使用権を認めるというものです。
実際の所有者が表れて明け渡しを求められたとしても、この期間内は事業を継続することができます。
今後人口減少などにより所有者不明土地や未活用の土地が増えていくと思いますので、これからは、所有者不明土地の利用ではなく、そもそもその土地の所有権をどうしていくかということも考える必要が出てくるのでしょうね。