法律改正について つらつら ~成人年齢②~
2018年08月30日
弁護士の佐藤剛志です。
一昨日に引き続いて成人年齢に関する改正民法についてです。
改正前の民法では、未成年者が婚姻(結婚)するためには、父母の同意が必要でした(改正前民法737条)。
今回の改正では、この条文が削除されました。
これは婚姻年齢が男女とも18歳とされたため(改正民法731条)、未成年が婚姻するということが認められなくなったためです。
ちなみに、改正前は、男18歳、女16歳で、20歳が成人とされていたため、男女とも未成年者が婚姻することがありました。
そして、未成年者が婚姻した場合には、成年とみなすものとされていましたが(成年擬制・改正前民法第753条)、この規定も削除されました。
成年者しか婚姻できなくなったので、成年を擬制する規定は不要になったということですね。
なお、施行日に16歳以上18歳未満の女(平成16年4月2日~平成18年4月1日までに生まれた者)は、経過措置として婚姻が可能です(改正民法附則3条2項)。
この場合には、父母の同意が必要とされ婚姻後は成年とみなされます。
実際にこの規定が適用される人は少ないと思いますが、法律の改正により不利益を受けることがないように、改正前の規定であれば、婚姻が現実に可能であった者に対してフォローする規定が定められています。