被害者
交通事故の被害で後遺症・物損などにお困りの方は弁護士へご相談ください
- 交通事故にあってしまったが保険会社の提示してきた金額に納得がいかない!
- まだ治療中なのに保険金の支払いを停止された!
交通事故の保険金の支払いは保険会社にまかせてあるから、そう思われる方が多数だと思います。
しかし、保険会社も会社ですので、なるべくなら自社の支払金額を少なくしようとします。
保険会社は独自の支払い基準を有しており、この金額は裁判所で認められる金額よりかなり低い金額であるのが一般的です。
弁護士は、裁判所の基準に基づいて交渉にあたります。
保険会社も裁判になると裁判所の基準で判断されるので、これに近い金額を提示してくることがほとんどです。
保険会社が最初に提示してきた金額が妥当なのか、弁護士が検討し、低い金額で損をしないようアドバイスし、被害者の方に代わって保険会社と交渉をいたします。
交通事故の損害賠償は誰に対して請求できるのか
交通事故に遭ってしまった場合、まず事故を起こした加害者=車を運転していた人に損害賠償を請求しようと考えると思います。
ただ、加害者が任意保険に加入していなかったら、加害者に資力がなかったら、そのような場合他にどのようにしたら、請求額を支払ってもらえるのかを考えるのではないでしょうか。
まず、車を運転していた加害者以外の誰に請求できるかをご説明します。
1 被害者が損害賠償請求をする相手
(1)運転者(加害者)
運転者は、交通事故によって被害者にケガを負わせてしまった場合、不法行為に基づく損害賠償責任(民法709条)を負います。
(2)運行供用者
自動車を自分の支配できる状況の下で、自分の利益のために他者に自動車に運転をさせた者(「運行供用者」と言います)は、損害賠償責任を負います(自動車損害賠償保障法3条)。
例えば、Aさんが、自分の所有する自動車を知人であるBさんに貸していたところ、Bさんがこの自動車を運転中に交通事故を起こして他人にケガをさせてしまった場合、Aさんは「運行供用者」、Bさんは「運転者」となります。
(3)加害者の勤務する会社
交通事故が、運転者の勤務中に発生した場合には、加害者の勤務する会社が使用者として損害賠償責任(「使用者責任」といいます。)を負うことがあります(民法715条)。
2 事実上の交渉相手=保険会社となることも多い
以上のように、被害者には、加害者などに対する損害賠償請求権が発生します。
もっとも、被害者が損害賠償の交渉を行う場合には、損害保険会社が加害者らの代行者として交渉にあたることも多くあります。
その場合、被害者は、示談交渉について知識・経験の豊富な損害保険会社を相手に交渉を行わなければなりません。
交通事故において請求できる損害の範囲
損害保険会社の提示する示談金が妥当なものかチェックする上で、「どのような損害について請求できるのか?」という知識を持っておくことが有益です。
人身事故の被害者が請求することができる損害は、大きく分類すると、①財産的損害と、②精神的損害とに分けられます。
財産的損害
例えば、次の費目が、財産的損害に当たります。- 治療費、手術費、入院費 必要な範囲の出費であれば、原則として財産的損害に含まれます。
- 通院のための交通費 電車、バスの料金、タクシー代等、必要かつ相当な範囲で財産的損害に含まれます。
- 弁護士費用 損害賠償請求額の10%程度を財産的損害に含めることが多いです。
- 休業損害 仕事を休んだことにより生じた収入の減少分が、財産的損害に含まれます。
- 逸失利益 後遺症が残ったために将来得られたはずの収入を得ることができなくなった場合の、収入の減少分が財産的損害に含まれます。
精神的損害
精神的損害に対する損害賠償は、一般に「慰謝料」と言われているものです。精神的損害は、本来、金銭的に評価することが困難なものですが、裁判実務においては、治療期間や後遺症の等級ごとに標準的な金額が設けられています。
交通事故トラブルはどのような手続を利用して解決するのか
代表的な解決手段についてご説明します。
なお、事件の種類・性質によって、解決までの時間の長短は異なりますので、あらかじめご留意下さい。
当事務所は、個々の依頼者のご希望をお聞きしながら、当該依頼者のニーズに合致する手続をご提案致します。
①示談交渉
話し合いによる解決をする手段です。
メリット
- 早期の解決が期待できます。大きな争いのない事件であれば、交渉開始から約1~2ヶ月で和解に至ることもあります。
デメリット
- 早期の解決を優先することになるため、示談の金額について、ある程度の譲歩をしなければなりません。
もっとも、弁護士が交渉に当たる場合には、保険会社は裁判の基準での金額で示談に応じることも珍しくはないため、デメリットが小さいケースもあります。
②民事調停
簡易裁判所で相手方と話し合いをする手続です。
メリット
- 比較的早期の解決が期待できます。調停申立から半年以内に調停が成立するケースも少なくありません。
- 非公開の手続ですので、当事者のプライバシーは守られます。
- 裁判所が介入して、相手方の譲歩を促してくれるケースも珍しくありません。
- 調停が成立すると、調停調書には、訴訟の確定判決と同じ効力が認められるため、相手方が調停条項に反して支払をしない場合などには、強制執行手続を行うことができます。
- 当事者が合意に至らない場合には、裁判所が「調停に代わる決定」をします。決定が確定すると、訴訟の確定判決と同一の効力が認められます。
デメリット
- 示談交渉と同様、調停成立のためにある程度の譲歩をする必要があります。
もっとも、裁判所が介入する以上、弁護士会基準を基に損害額を算定して話し合いが進められるため、上記デメリットは、さほど大きなデメリットとまでは言えないかも知れません。 - 調停に代わる決定に対して、2週間以内に異議が申し立てられると、調停は無効となります。
③通常訴訟
公開の法廷で行う裁判手続です。メリット
- 示談交渉や民事調停のよりも、高額の賠償金支払を命ずる判決を得られる可能性があります(ただし、被害者には、各損害が生じたことを立証する責任があります)。
- 確定判決には、強力な法的効力が認められ、相手方が判決に従った履行を行わない場合には、強制執行手続を行うことができます。
- 精緻な証拠調べと事実認定によって、事故に関する事実関係を明らかにできる可能性が比較的高いと言えます。
デメリット
- 解決には長い時間を要します。判決が出るまで、1年程度は、覚悟しておく必要があります。
- 当事者にかかる心理的ストレスは、他の手続に比して大きいといえます。
物損だけだと思っても後から体調に変化が現れる場合もあります
車に傷が付いただけだから。
特にケガもないようだから。
そのような理由で、だだの物損事故として片付けてしまい、その場でよく考えずに多少の金額をもらって終わりにしてしまう。
確かに、軽微な物損事故では、賠償額もそれほど高額ではありません。
弁護士等に交渉を依頼しても費用倒れになる可能性が高いとも考えられます。
本当にただの物損事故であれば簡単な修理費をもらって終わりにしても問題がないようにも思えますが、事故当日には自覚症状がなくても、後日むち打ち症等が発症する場合がありますので慎重な対応が必要です。
軽微な事故だと思っても、警察には必ず連絡して下さい。
警察への通報は法律上の義務です(道交法72条)。
それだけでなく、「交通事故証明書」を発行してもらえずに、自賠責保険・任意保険の保険金が請求できなくなってしまいます(ただし、物損事故の場合は自賠責保険の保険金は下りません)。
また、相手方の氏名、住所を運転免許証で確認する、自賠責保険や任意保険の保険会社を確認する。
これらのことは必ず行ってください。
これは後日症状が現れ、損害賠償請求が必要となった場合に、相手方がわからないとなるとその請求が困難になるからです。
ただの物損事故だと思ってその場で話しを付けてしまったが、後から症状が出てきてしまった。
そのような方はまず、病院で診断書をもらって下さい。
事故当時に警察に連絡していれば物損事故として処理された場合でも、後日人身事故に切り替えて事故証明書を発行してもらえる可能性があります。
交通事故の加害者が保険に加入していなかった場合
加害者が保険に加入していなかった。 どのようにして損害を賠償してもらえるのか?
任意保険の加入率
任意保険の加入率は73.8%(2015年3月、日本損害保険協会調べ)、自動車共済等を含めると85%程度であり、任意保険に加入してない車との事故にあう確率は意外と高いといえます。
自賠責保険の補償
加害者が任意保険に加入していない場合、自賠責保険から損害の賠償を受けることになりますが、自賠責保険では支払い限度額が低いので十分な賠償を受けられない場合が多いです。
自賠責保険の限度額は、
傷害による損害 120万円
死亡による損害 3000万円
とされています。
実際の損害がこの限度額を超えている場合には、自賠責保険を超える部分については、法的には加害者に損害賠償請求をすることができます。
ただし、任意保険に加入していないような加害者に十分な支払い能力があるか、実際に賠償を受けることができるかは、かなり可能性が低いといえます。
なお、自賠責保険は強制加入ですが、車検切れ等の事情により、未加入状態となっていることもあり、まったく保険から損害賠償を受けることができないということもあります。
ご自身の保険の利用
任意保険に加入していない車両との事故に備えて、自動車保険には「無保険車傷害特約」というものがあります。
ご自身の保険にこの特約が付されている場合は、ご自身の保険会社から損害の賠償を受けることができます(ただし、死亡事故や後遺障害のケースに限られるようです)。
この場合には(過失割合等事故のケースにより一概には言えませんが)、ご自身の保険の等級が下がらず、保険料に影響することはないようです。
政府保障事業
加害者が自賠責保険にも加入しておらず、まったく保険から損害の賠償を受けることができない場合で、さらに健康保険や労災保険等の他の社会保険の給付によっても損害の填補が受けられない場合、政府が損害を填補してくれる制度があります。
自賠責保険の基準に準じて支給されます。