あなたの条文(4月11日) 民法411条 選択の効力
2020年04月11日
日付から、日付の数字に関連する条文を紹介するこのコーナー、4月11日の今日は、「411条」がらみの条文を紹介したいと思います。
今日は、民法411条を取り上げます。この4月から、新民法が施行されておりますので、これからは、可能な限り民法を取り上げていきたいと思います。
「(選択の効力)
第四百十一条 選択は、債権の発生の時にさかのぼってその効力を生ずる。(以下略)」
昨日も説明しましたが、選択債権とは、いくつかある給付の中から、当事者が選択して決定できる債権のことをいいます(おにぎりかパンが1個ずつあるときに、どちらかを食べられるという権利など)。
411条の本文ですが、これは、選択権を持っている人が、選択権を行使すると、債権が発生した時にさかのぼって、初めからその債権に特定していたものとされるということです。
この条文は、選択債権の一つが後に滅失してしまったような場合に問題になります。昨日は、パンを食べてしまってすでにパンがないというような場合(パンがないから渡せない=不能)を不能の債権の具体例として出しました。
この場合に、選択権を有する人が、パンの方を選んだとします。411条によると、契約をした時点にさかのぼって、目的物がパンだったことになるのです。これが債権発生時に遡らないとすると、滅失してあったものを選択することはできません。選択時に存在しないものを、契約の目的にはできないからです。410条を意味のあるものにすべく411条があるといってよいでしょう。